現代のシャンパンには様々な面があります。
これまでの「そうだったのか!」シリーズでは、シャンパンの歴史的な経緯の中にある様々な意外な事実を述べてきました。
今回からの「シャンパンの表と裏」シリーズでは、現代のシャンパンそのものの真実とその裏側にある蘊蓄や意外な側面を記載します。
シリーズ第一回目は「健康上の効能」と「泡の素敵な表現」についてです。
(疲労回復に効く)
フランソワ・ボネルの著作「Le Livre d`or du Champagne」(シャンパーニュの黄金の本)によれば、「シャンパーニュ地方は統計上リュウマチ患者が少ないと。シャンパンは疲労回復に効く。」
その理由は、シャンパンの糖分が血液中の血糖を高め、カリウム塩が筋肉組織に活力を与えるからです。
(肥満の原因にはならない)
また、フランソワ・ボネルによれば、「精神的な酔いを与え、炭酸ガスを含んでいるから普通のワインと違って過度のアルカリ化を防いでバランスをとってくれる。」「シャンパンは高カロリー(1gあたりアルコール7kcal、脂肪9kcal、糖分4kcal)だが、短時間で燃焼される一過性のカロリーで取り過ぎなければ肥満の原因にはならない。」
(悪酔い・二日酔いをしない)
さらに悪酔い・二日酔いをしない。
ヒスタミンという物質がその原因ですが、ヒスタミンはブドウの果皮と種子に多く含まれます。シャンパンはブドウの果汁をとる時、普通のワインと違い圧搾の仕方が違うので、ヒスタミンが少ないのです。シャンパン中のヒスタミンの含有量は普通のワインの約30ml/lに対して0.1しかないからです。
(シャンパンの泡の素敵な表現)
シャンパンの泡はきめ細かく、その泡立ちは飲む人を魅了します。その姿に様々な素敵な表現がされています。まずは、「天使」を借りた表現。
・「天使の拍手」
シャンパーニュをグラスに注ぐとき、泡がはじけてシュワーと音が広がり、パチパチパチと聞こえます。天使が飲み手を祝福しているかのようでお祝いの席にふさわしい表現です。
・「天使のため息」
スパークリングワインを抜栓する時は、音がなるべくしないように、プシュと抜くのがスマートです。その時のささやくような音を表現しています。
・「天使の分け前」
直接泡とは直接関係ないですが、醸造中のワインが蒸発し、減ってしまう分を天使に分け与える分のとして表現しています。
また、次のような素敵な表現もあります。
・「真珠の首飾り」
グラスにシャンパーニュを注ぐと、はじける泡がグラスの内側に白い輪をつくります。真珠のように透明感がある泡が幾つもの筋になって連なっている姿を譬えています。
・「星を飲んでいるようだ。」
泡を星になぞらえた粋な表現です。ドン・ピエール・ペリニョンが、シャンパーニュを飲んだとき開口一番言った。これは、モエ・エ・シャンドンが販売促進のために作ったキャッチコピーだと言われています。
【参考】
シャンパンのカロリーは100ml当たりアルコール度1%につき、約8.3kcalになります。
アルコール度12%のシャンパン100mlであれば、約100kcalとなります。
もちろん、シャンパンの種類や、ドザージュなどによって変わってきますが、おおむね、シャンパンのカロリーはアルコールの中で高めです。他のアルコールも含め列挙します。
「摂取カロリー・消費カロリー大辞典」によれば、カロリーは以下です。アルコール度数1%当たりのカロリー(100ml)
ビール: 約8kcal
焼酎: 約5.5kcal
日本酒: 約7kcal
泡盛: 約7kcal
ワイン: 約5.8kcal
シャンパン: 8.3kcal
ウイスキー: 約5.8kcal
ブランデー: 約5.9kcal
ジン: 約7.1kcal
ウォッカ: 約4.5kcal
ラム: 約5.7kcal