(映画やドラマ・歌の中のシャンパン)
映画『007』のジェームズ・ボンドには数々のシャンパンが登場し、欧米で「スタイリッシュな高級シャンパン」の地位を確立し、シャンパンの販売促進に寄与しました。このように、映画やドラマでシャンパンが度々登場しています。
日本でも1984年にヒットした浜田省吾の『Money』。歌詞には、「純白のメルセデス、プール付きのマンション 最高の女とベッドでドン・ペリニヨン」が出てきます。また、1986年、テレビのドラマ、『男女7人夏物語』でもドンペリが格好よく登場しました。
このように、歌詞やドラマの中でドンペリを飲んだことで、日本でも知名度と高級感が定着しました。
(19世紀の終わりのあっと驚く宣伝)
今でこそ宣伝活動は一般的ですが、19世紀の終わりにはあっと驚くシャンパンの宣伝活動がありました。
シャンパンメゾンの一人が行った活動です。ウジェー ヌ・メルシエ(1838~1904年)は弱冠20歳にして自らのシャンパーニュメゾンの立ち上げ、メゾンの名前を知らしめる宣伝に才能を発揮しました。
彼は巨大なカーヴを建設し、初めて蒸気機関を使って灯りをつけ一般に公開しました。
1889年の万国博覧会でのこと、彼は16年もかけた「フードル(雷の意)」と呼ばれる木彫の施された大樽を作りました。
シャンパーニュのボトル21万3千本分の容量で、重量23トンもある世界最大のものです。
これをパリの万博に出品したのです。この大樽をパリに運ぶため、パリへの道を広げたり沿線の家を買い上げて壊したりして、この大樽を24頭もの牝牛に引かせ運びました。
輸送には3週間がかかり、その間たくさんの人だかりができ、メディアも集まったとのことです。
また、1900年の万博では熱気球を飛ばせて演出をしました。12人の客を熱気球に乗せシャンパンを飲みながらパリを上空から眺めさせる趣向でした。
ところが、この気球は猛烈な風に乗ってコントロールを失い、ベルギーまで飛んで行ってしまいました。ベルギーでは「不法なシャンパンの持ち込み」で罰金が科せられましたが、これが却って世界中への良い宣伝になったのです。
(名言・女性)
また、数々の著名人がシャンパンに関する名言を残しています。
ある意味、これらの名言はシャンパンの販売促進に寄与しているとも言えますので、まとめてみました。
〇ポンパドール
「飲んだあとも女性が美しいままでいられるただ一つのワイン」
ルイ15世の公式の愛妾の一人ポンパドールが言った言葉です。ポンパドールはルイ15世同様にシャンパンを好みました。
〇エリザベット・ボランジェ
「楽しいときも悲しいときも飲むわ。時には 一人で飲むこともあるし。でも、誰かが来た ら必ず飲むものよ。食欲のないときには飲 んで食欲を出し、空腹のときにはぐいと飲む。でもそれ以外は絶対に飲まないわ、のどが渇 いていないかぎりはね。」
エリザベット・ボランジェが、イギリスでもっとも古いタブロイド紙ロンドンデイリーメールからの、シャンパーニュの飲み方についての質問に答えました。
〇ココ・シャネル「2つの時しかシャンパンを飲まない。―恋をしている時と、していない時」
シャネルの創業者として知られるココ・シャネルが残しました。
ココ・シャネルは熱狂的なKRUG愛好家「クリュッグラヴァー」と言われています。
〇オードリー・ヘップバーン
「お肉には赤を、魚には白を、そして恋にはシャンパーニュを」
映画『昼下がりの情事』でオードリー・ヘップバーンが言いました。
〇マリリン・モンロー
「寝る時に身に着けるのはシャネルの5番、朝欠かさないのはパイパー・エドシック、私の目覚めの一杯よ」
マリリン・モンローが愛したシャンパンです。
(名言・政治家・作家など)
〇ウィンストン・チャーチル(英国の宰相)
「自分のウィットをより機知に富むものにしてくれる。」
「我々が戦っているのは単にフランスのためだけではありません。シャンパーニュのためでもあります。」
「マグナムサイズはふたりの紳士には最適のサイズである。特に、ひとりが飲まないのであれば。」
「シャンパンは生きることの意味を知っている人が毎日楽しむものである」
〇ナポレオン1世
「勝利を収めれば飲む資格があるし、敗北なら飲む必要がある」、「力を回復させ、気分を引き立てるには一杯のシャンパンがあれば十分だった」
ナポレオンは禁欲的で、食事は少量で飲酒も控え気味でありました。
そのナポレオンがシャンパンについて称賛しています。
〇オットー・フォン・ビスマルク(ドイツの鉄血宰相)
「シャンパンはガスを追い出す。」
慢性的な腸のはりに悩まされていました。
〇ヴォルテール(フランスの哲学者)
「このフレッシュなワインからは、はじける泡。だから、フランス人は輝いて見えるのだ。」
ヴォルテールは詩の中で書いた言葉です。
〇オスカー・ワイルド(アイルランド出身の作家)
「シャンパーニュを飲む理由が見つけられないのは、想像力が足りない人間だけだ。」