映画007ではジェームス・ボンドが片手にボンドガールとワインを片手にするシーンが必ずあります。そして、ワインの中でもシャンパンは全てのシリーズで登場しています。どんなシャンパンが登場しているのかを調べてみました。
1作目のショーン・コネリーが演じた『ドクター・ノオ(007は殺しの番号)1962年』ではドンペリ1955年が出てきました。以降25作までに登場したシャンパンは、ドンペリ、ボランジェが圧倒的に多く登場します。その他には、テタンジェ、クリュッグ、ポメリー、ヴーヴ・クリコがわずかですが登場しています。
シリーズの最高傑作と名高い2作目の『ロシアより愛を込めて(1963年)』では、テタンジェのコント・ド・シャンパーニュが格好良く登場。以降、ドンペリは毎回、加えてクリュッグ、ポメリー、ヴーヴ・クリコがわずかに登場していますが、ボンド役がロジャー・ムーアに替わったシリーズ8作目、『死ぬのは奴らだ(1973年)』では、ボランジェが初登場します。
その後、11作目『ムーンレイカー(1979年)』では、ボランジェRD1969年。そして13作目『オクトパシー(1983年)』以降、最新の第25作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」まで、全てボランジェが登場しています。
今では、「ジェームズ・ボンドのシャンパーニュ」をキャッチ・フレーズにして、ボランジェのポスターが登場するほどに。「007シリーズ最多」を誇るのがボランジェ。そのせいか、ボランジェが最も売れる国は、1位がイギリス、2位がフランスだそうです。
ボランジェは007に多く登場していますが、ボランジェは飲みごたえのあるしっかりとしたシャンパンで、ジェームス・ボンドの「強い男」のイメージと合致しています。しかし、ボランジェが頻繁に登場している理由はそれだけではなく、1980年以降に盛んになった「プロダクト・プレイスメント」と呼ばれる宣伝効果を狙ったものと言えます。映画作品中に商品を盛り込む手法を戦略的にとっているのです。
ちなみに、イギリス映画なので、ボンドは、スクリーンではBollingerをフランス語読みの「ボランジェ」じゃなくて、英語風に「ボリンジャー」と発音しています。
最近はボランジェを訪ねると、007映画に登場する場面を集めたDVDをプレゼントしてくれるそうです。シャンパンメゾンの販売戦略はしたたかです。
第1作「007 /ドクター・ノオ(007は殺しの番号)」(1962):ドン・ペリニヨン
第2作「007 /ロシアより愛をこめて」(1963):テタンジェのコント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン
第3作「007 /ゴールドフィンガー」(1964):ドン・ペリニヨン、ポメリー50年
第4作「007 /サンダーボール作戦」(1965):ドン・ペリニヨン、ヴーヴ クリコ
第5作「007は二度死ぬ」(1967):ドン・ペリニヨン
第6作「女王陛下の007」(1969):ドン・ペリニヨン、クリュッグ1963
第7作「007 /ダイヤモンドは永遠に」(1971):ヴーヴ・クリコのブリュット・ロゼ
第8作「007/死ぬのは奴らだ」(1973):ボランジェ
第9作「007/黄金銃を持つ男」(1974):ドン・ペリニヨン
第10作「007 / 私を愛したスパイ」(1977):ドン・ペリニヨン
第11作「007/ムーンレイカー」(1979):ボランジェR.D、ドン・ペリニヨン
第12作「007/ユア・アイズ・オンリー」(1981):ボランジェR.D
第13作「007/オクトパシー」(1983):ボランジェR.D
第14作「007 / 美しき獲物たち」(1985):ボランジェR.D
第15作「007/リビング・デイライツ」(1987):ボランジェR.D
第16作「007 / 消されたライセンス」(1989):ボランジェR.D
第17作「007 /ゴールデンアイ」(1995)ボランジェ・グランダネ
第18作「007 /トゥモロー・ネバー・ダイ」(1997):ボランジェロゼ
第19作「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」(1999):ボランジェ
第20作「007/ダイ・アナザー・デイ」(2002):ボランジェ
第21作「007/カジノ・ロワイヤル」(2006)::ボランジェ、テタンジュ1943 、ヴーヴ・クリコ
第22作「007 /慰めの報酬」(2008):ボランジェ
第23作「007 /スカイフォール」(2012):ボランジェ
第24作「007/スペクター」(2015):ボランジェ
第25作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2021):ボランジェ
番外編「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(1983)