フランスワイン産地・ボルドー地方

クレマン①(ボルドー・ブルゴーニュ・ローヌ・ロワール)・・・スパークリングワイン・シリーズ③

 フランスのシスパークリングワイン・クレマンの第2回目は造られる8地域のうち、4地域について詳しく述べます。
第2回目はボルドー・ブルゴーニュ・ローヌ・ロワールの各地方です。

①クレマン・ド・ボルドー(Crémant De Bordeaux

〇特徴
 以前は「ボルドー・ムスー」と呼ばれていましたが、1990年に「クレマン・ド・ボルドー」に呼称変更されました。
なお、ロゼのクレマンも生産可能ですが、全体からするとごく少数です。価格がやや高めな傾向にあります。

〇使用品種(13種類)
【白ブドウ】
セミヨン(白のみ)
ソーヴィニヨン・ブラン(白のみ)
・ソーヴィニヨン・グリ(白のみ)
・ミュスカデル(白のみ)
・ユニ・ブラン(30%以下、白のみ)
・コロンバール(30%以下、白のみ)
・メルロー・ブラン(30%以下、白のみ)
【黒ブドウ】
カベルネ・ソーヴィニヨン(白・ロゼ)
メルロー(白・ロゼ)
カベルネ・フラン(白・ロゼ)
・カルメネール(白・ロゼ)
・マルベック(白・ロゼ)
・プティ・ヴェルド(白・ロゼ)

(特徴)
 多くは白で、セミヨンを中心に黒ブドウのカベルネ・フランカベルネ・ソーヴィニヨンもブレンドに使われています。

〇味わい
 生産者によって多様にブレンドされるのでその個性を一概に語るのは難しいですが、概して豊かでふくよかな構成で、複雑味に富むのが特徴です。
セミヨンとソーヴィニヨン・ブランで造られた、タイトでナッツやほのかなハチミツを思わせるようなタイプ。
ソーヴィニヨン・ブランなどアロマティックでフレッシュな品種で造られたタイプ。
ロゼはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローのブレンドで造られコクのある印象的なクレマンが造りだされています。

フランスワイン産地・ボルドー地方

②クレマン・ド・ブルゴーニュ(Crémant De Bourgogne)

〇特徴
 クレマンとして最初に認められたAOCでした。
ブルゴーニュ全域で生産が認められていますが、特にシャンパーニュに隣接するコート・ドーセールシャティヨン・シュール・セーヌなどはクレマン用のブドウにとって理想的な土地とされています。
 クレマン・ド・ブルゴーニュの生産量はかなり多く、価格は高めでも品質も高いものです。白、ロゼのクレマンが造られています。
シャンパーニュ同様に、ピノ・ノワールやシャルドネの単一品種で造る事も可能なため、「ブラン・ド・ブラン」「ブラン・ド・ノワール」があります。
ロゼタイプは、ブリュットスタイルで造るのが通常です。

〇使用品種(8種類)
【白ブドウ】
シャルドネ(白・ロゼ)
・アリゴテ(白・ロゼ)
ピノ・ブラン(白・ロゼ)
・ミュスカデ(白・ロゼ)
・サシー(白・ロゼ)
ピノ・グリ(白・ロゼ)
【黒ブドウ】
ピノ・ノワール(白・ロゼ)
ガメイ(白・ロゼ)

(特徴)
 ブレンドする際は、シャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ノワールで30%以上、ガメイは15%以下。

〇味わい
  冷涼で寒暖の差が大きいブルゴーニュのクレマンは、酸のきいたエレガントな味わいが特徴です。

「コート・ドーセール」&「シャティヨン・シュール・セーヌ」

クレマン・ド・ロワール(Crémant De Loire

〇特徴
 アンジュ・ソミュール地方とトゥーレーヌ地方でのみで造らますが、大半はアンジュ・ソミュール地方で造られます。他にも付近では多くのアペラシオンで発泡性ワインが認められており、クレマンと合わせてスパークリングワインの一大生産地を形成しています。
 白とロゼがあります。手頃な価格帯のものが多く、スッキリしたタイプが主役です。
一方で黒ブドウをブレンド、もしくは単一で使用したコクのある銘柄もあり、生産者の方向性によってたくさんの個性を楽しむ事ができます。

〇使用品種(9種類)
【白ブドウ】
シュナン・ブラン(白・ロゼ)
・シャルドネ(白・ロゼ)
・オルボワ(白・ロゼ)
【黒ブドウ】
・カベルネ・フラン(白・ロゼ)
・グロロー(白・ロゼ)
・グロロー・グリ(白・ロゼ)
・ピノ・ノワール(白・ロゼ)
・ピノ・ドニス(白・ロゼ)
カベルネ・ソーヴィニヨン(白・ロゼ)

(特徴)
 カベルネ・ソーヴィニヨンとシュナン・ブランの合計、又は、単独で30%以下の使用制限。

〇味わい
ロワールは冷涼な気候のため、酸のしっかりしていて、石灰質の多い土壌由来のミネラル感のある味わいです。

ロワール地方・アンジュール&ソミュール

④クレマン・ド・ディー(Crémant de Die)

〇特徴
 クレマン・ド・ディーの生産が認められているディー村は、北ローヌ地方と南ローヌ地方の中間にあり、多くのアペラシオンが密集する地域からは飛び地となった地域。ロゼは認められておらず、クレレットという品種を主体にした白のスパークリングワインだけが認められています。
瓶内二次発酵の製法で仕上げられますが、残糖は15グラム以下に制限されています。栽培面積は41haのみで希少です。瓶内熟成期間はクレマン・ド・ディーのみが12ヶ月以上です。

〇使用品種(3種類)
【白ブドウ】
クレレット(55%以上使用)
・ミュスカ(5~10%使用)
・アリゴテ(10%以上使用)

〇味わい
 残糖は15グラム以下の辛口です。爽やかなシュッとした酸の後の仄かな甘みによるすっきりとした味わい

ローヌ地方・クレマン・ド・ディー
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