この庭に育って27年。
今年も実をつけられたのは幸せ・・・
なぜって?
もう20年前のことです。
私は甘柿として順調に育っていました。
根は丈夫な渋柿で、そこに甘柿を挿し木して、
甘柿として育っていたんです。
それが、ある日突然、強い雷に打たれました。
私は根こそ残ったものの、上の体は壊死してしまいました。
それから私は土の中でしばらくじっとするはめに・・・
そして、運よく体力を回復して、地上に芽を出し、
第二の人生?いや柿生を歩むことになりました。
でもそれは渋柿として・・・。
家の主人は私を切り倒すことなく、
私は今もこうして生きています。
渋柿だから役に立たない運命・・
でも、主人は毎年、私の実を干し柿にしてくれています。
今年ももう秋本番。干し柿の時期が近い・・
家のご主人は、今年、早いうちから芽を間引いてくれました。
間引いてくれないと
傍に3つ4つも実がなるので窮屈で仕方ないんです。
間引きのおかげで今年は実が大きくなりました。
このところすっかり秋めき、青々とした色からめっきり柿色に。
昨日、鳥が2,3羽、すっかり柿色に染まった実を啄んでいました。
渋柿なのに、熟していてよほど美味しいのだろう・・・
柿色の体は見る影もない姿に。
でもこれも子孫を残すために我慢、我慢・・いや感謝。
何しろ鳥が種を蒔いてくれるんだから。
今年は去年よりおいしい干し柿になりますね。