ヨーロッパと日本の緯度

シャンパーニュ地方は樺太と同じ緯度・・・シャンパンのそうだったのか!①

(ヨーロッパは高緯度の割にそれほど寒冷ではない)

 シャンパーニュ地方の緯度は北緯49度。これは日本で言えば北海道より北に位置し、樺太の緯度です。
樺太ほどの北に位置する寒冷地でブドウ栽培は通常できません。しかし、シャンパーニュ地方では世界に冠たるスパークリングワインを生み出しています。
 一体シャンパーニュ地方はどのような地なのか?
なぜぶどうを栽培しワインを造ることができるのでしょうか?

 ヨーロッパと日本を地図で同じ緯度にスライドして重ねてみると、イタリア・ローマと函館はほぼ同じ北緯45度です(ローマ、函館:41.9度)。
フランス・ボルドーやイタリア・ミラノは日本最北の稚内と同じ北緯45.4度です(ボルドー、ミラノ:45.5度、稚内:45.4度)。
このようにヨーロッパの南部でも北海道と同じ緯度ですから、寒いと思いきやブドウができます。私たちが考えているより冷涼ではありません。

 シャンパーニュはフランスにおけるブドウ栽培の北限ですが、年間平均気温は11度
一方、樺太(ユジノ-サハリンスク:緯度46.9)の年間平均気温は2.6度です。シャンパーニュ地方との違いは明らかです。

 なぜ、ヨーロッパは緯度の割にそれほど寒冷ではないのでしょうか?
それはメキシコ湾流(ガルフストリーム)に端を発する北大西洋海流という世界最大の暖流の影響です。
メキシコ湾からアメリカ合衆国とカナダの沿岸を通過し、北ヨーロッパのスカンジナビア半島沿岸にまで流れるこの暖流のおかげで、高緯度のヨーロッパは温暖な気候という恩恵を得ています。

ヨーロッパと日本の緯度
ヨーロッパと日本の緯度

(シャンパーニュ地方の気候)

 シャンパーニュ委員会(※)のホームページはシャンパーニュ地方の気候について次のように述べています。

「シャンパーニュ地方のブドウ畑は、海洋性気候と大陸性気候の二つの影響を受けています。フランスの他のワイン産地では見られない、シャンパーニュ地方独特の特性です。  実際には、時に 対照的な、特徴の異なる気候の組み合わせは非常に複雑なものです。海洋性気候の影響により、比較的温暖で、冬は寒すぎず、夏は暑すぎず、年間平均気温は11℃です。
 とはいうものの、大陸性気候の影響で、冬は気温が急激に下がることもあります。 場所によってはマイナス10度以下になるところもあり、霜の影響で壊滅的な被害が出ることがあります。
逆に夏は高温で、激しい雷雨に見舞われることもあります。

 しかし、このような気候条件は、さまざまな点でブドウの栽培に有利です。夏は、シャンパーニュ地方のブドウ畑に程よい日照をもたらし、ブドウの発育に適しています。一年中降水量が安定し、程よい量なので、シャンパーニュのブドウ栽培には理想的です。」と。

※シャンパーニュ委員会シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会、略してシャンパーニュ委員会は半官半民の組織として、1941年に設立されました。

フランスの気候(シャンパーニュ委員会HPより)
フランスの気候(シャンパーニュ委員会HPより)
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