A0Cシャンパーニュの県

シャンパンの村のランク付けは厳格・・・シャンパンの表と裏側④

(シャンパーニュの範囲)

 「シャンパーニュ」とラベルに記載できるのは、シャンパーニュ地方のブドウ畑ではどこでも許される訳ではありません。
正式に認められた地域で収穫されたブドウで造られたもののみに認められます。
ブドウ栽培地域は5つの県にまたがっています。
マルヌ県(66%)
・オーブ県(23%)
・エーヌ県(10%)
・オートマルヌ県
・セーヌ・エ・マルヌ県

AOCシャンパーニュと名乗ることのできるブドウ栽培地は、およそ2/3がマルヌ県にあります。

シャンパーニュの県境
シャンパーニュの県境
A0Cシャンパーニュの県
A0Cシャンパーニュの県

(格付け)

 そして、他の銘醸地と同様に、ブドウ畑は格付けがされています。
ブルゴーニュでは区画単位ボルドーではシャトー単位で格付けがされていますが、シャンパーニュ地方では村単位で格付けが行われています。栽培地域を村単位で捉えてをランク付けしているのです。
格付けはエシェル・デ・クリュ(1911年制定)という分類によって分けられます。

 この格付けの当初の目的は、ブドウ栽培農家の保護でした。
冷涼な気候のシャンパーニュ地方では、年ごとに安定してた収穫が難しく、栽培農家を苦しめました。
そこで、毎年収穫期の始めにブドウ栽培者の代表と買い手のシンジケートが会合し、その年の特級のブドウ価格を決定し、それを基準としてそれに続くカテゴリーに属するブドウの価格を決定するようにしたのです。

 ランクは特級があり、その下のランクの一級から5級までです。
特級のブドウ畑のブドウの買取価格を100%とし、以下の割合の買取価格とします。

・一級のブドウ畑は、90~98%
・二級のブドウ畑は、80~88%
・三級のブドウ畑は、70~78%
・四級のブドウ畑は、60~68%
・五級のブドウ畑は、50~58%

 例えばその年の価格が、1kg 1,000円と決定されると、100%の格付けをもらった村は1kg 1,000円でブドウを取引することができ、90%格付けの村は1kg 900円となります。
 1990年からは自由市場に近い形での交渉がされるようになりました。格付けが直接価格に反映することはありませんが、格付け自体はその村の品質を評価する基準として有効です。

 シャンパーニュ地方には319の村がありますが、特級の村(グラン・クリュ Grand Cru)は17あり、一級の村(プルミエ・クリュ Premier Cru)は42です。
 特に、グラン・クリュはマルヌ県にある3つの地区、モンターニュ・ド・ランス地区、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区、コート・デ・ブラン地区にあります。
 ・ モンターニュ・ド・ランス地区には9つの村、
 ・ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区には2つの村、
 ・コート・デ・ブラン地区には6つの村です。

シャンパーニュ グランクリュ
シャンパーニュ グランクリュ
グラン・クリュ
グラン・クリュ

(シャンパーニュ地方のブドウ畑面積)

 シャンパーニュ地方のブドウ畑面積は34,200haです。これは東京ドーム7300個分です。
名古屋市の面積 (32,645ha)と同程度、横浜市(43,768 ha)の約8割、東京23区(62,670ha)の5.5割程度に相当します。都市がすべてブドウ畑と考えると大きな面積です。
ブルゴーニュ地方のブドウ畑面積27,900haより2割ほど大きく、日本のブドウ畑面積16,500haの2倍以上もあります。

 そのうち、シャンパーニュの特級畑は4,500haで東京ドーム95個分、鎌倉市の面積3,967haより大きい広さです。
これはシャンパーニュ地方全体のブドウ畑面積の13%にしかすぎません。

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