ボジョレー・ヌーヴォーの時期
街に出ると、ボジョレー・ヌーヴォーのポスターが見られる季節になりました。
つい、先日までは暑さにうんざりしていたのに、
台風の訪れに気をもんでいたかと思う間もなく、
秋本番を迎えています。
「10月の早い時期に予約すると早特になります」
「今年は、ウクライナ情勢の影響で、価格が高く,輸入数量も少なくなりそう」
など、まだ10月を迎えていない9月から、
商魂たくましく購入を促していました。
そこで、ボジョレー・ヌーヴォーに関心のある方に、
知っていたら役に立つ豆知識を提供します。
ボジョレー・ヌーヴォーとは何か?など
皆さんがすでにご存じの内容は省略します。
その先の役に立つ情報を記します。
(※ 私はワインエキスパート資格を持つ愛好者であり、
販売者ではありませんので、愛飲者の観点でお伝えします)
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今年のボジョレー・ヌーヴォーの出来具合は良いか?
例年より暑い日が続き6月に恵みの雨が降り、
ブドウは順調に育っているため、
質量ともに良いヴィンテージになることが予想されていました。
皮肉なことに、昨今の温暖化はブドウ・ワインにとっては順風です。
温暖化によりブドウの完熟度が上がり、結果的に凝縮感のある状態で
収穫されるようになってきているからです。
温暖化は深刻な環境問題ですが、その年の気候によっては
ブドウを完熟させることが難しかったワイン産地でも、
良いワインが造れるようになってきているということです。
・・・皮肉な温暖化との関係です
ボジョレー・ヌーヴォーって普通のワインと何がどのように違うのでしょうか?
ステイルワインの赤ワインの味わいの特徴は、
複雑さや渋みや酸味といった長期間の熟成を経た味わいでしょう。
その点でボジョレー・ヌーヴォーは逆です。
フランスワインの中で、熟成期間が最も短く、
その味わいは、もぎたての果実のようにフレッシュでジューシーです。
これがボジョレー・ヌーヴォー最大の魅力です。
ワインは通常、収穫の翌年以降に販売されますが、
ボジョレー・ヌーヴォーは9月の収穫からわずか2カ月程度で店頭に並びます。
ワインは寝かせるほど熟成が進んでおいしくなるというイメージがありますが、
ボジョレー・ヌーヴォーは違います。
フレッシュな味と香りを楽しむワインなのです。
また、赤ワインは冷やすと渋みが強くなるのですが、
ボジョレー・ヌーヴォーは渋みが少ないため、
軽く冷やしてから飲むのがおすすめです。
ボジョレー・ヌーヴォーに白はある?
ボジョレー・ヌーヴォーは法律で、
ガメイ種のブドウを100%使った赤ワインとロゼワインと
定められているため、白ワインはありません。
ボジョレー ヌーヴォーと呼ばれるワインには、
赤ワインとロゼワインしかありません。
ボジョレー地区で作っている白ワインは、
「ボジョレー ヌーヴォー」として販売できないと
法律で決まっているからなんです。
ボジョレー・ヌーヴォーにもランクの違いがあるだろうか?
ランクの違いが現にあります。
ボジョレー“ヴィラージュ”ヌーヴォーというように、
「ヴィラージュ」と表記されているものです。
これは、ヴィラージュという名称の使用が許可される
特別な地域のぶどうを使っていることを意味し、
「ワンランク上の限定ワイン」です。
ボジョレー地区は、北から南まで55kmと長く続きます。
ボジョレー・ヴィラージュは、最北部から約2/3ほどにまたがり、
ガメイ品種に適している、花崗岩を基盤とした丘陵地帯です。
ボジョレー・ヴィラージュは砂質が多いこともあり、
地面の蓄熱によりブドウを暖めながら成熟させて行くので
良いワインができるのです。
なお、ボジョレー地域には、
・Beaujolais (ボジョレー)
・Beaujolais Villages(ボジョレー・ヴィラージュ)
・クリュ・デュ・ボジョレー
の3区分の地区があり、
最上級のクリュ・デュ・ボジョレー地区で造られたものも、
ボジョレー“ヴィラージュ”ヌーヴォーと表記され販売されます。
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「ボジョレー・ヌーヴォー」と「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」はどう違う?
一言で言えば、あっさりとしたボジョレー・ヌーヴォー
飲みごたえのあるボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー
濃厚なワインが好きな方は、
ボジョレー・ヌーヴォーよりも
深みのあるボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーを
選ぶと、そのおいしさに驚くでしょう。
冷やして飲んだ方が美味しい?
ボジョレー ヌーヴォーは渋みが少ない
さっぱりとした味わいのワインです。
ですから、少し冷やした方が美味しく飲めます。
一般的な赤ワインは冷やしてしまうと、
強く渋みを感じることがあるのですが、
ボジョレー ヌーヴォーの場合は少し冷やしたほうが美味しいんですね。
ちなみに、冷やす際の適温は10~12℃くらい。
飲む前に、冷蔵庫で1時間くらい冷やすだけで、
ボジョレー ヌーヴォーならではのフレッシュさが引き立ちます。
ボジョレー ヌーヴォーと合う料理
ボジョレー ヌーヴォーはさっぱりとした味わいのワインなので、
軽めの食事とよく合います。
パーティーに出てくるサラダやフィンガーフードにピッタリ!
ワインが主張しすぎないから、料理の味を邪魔しないんです。
日本人の気質・謙虚さと合っています。
次回は、知っていてためになるボジョレーヌーボの豆知識を記載しますので、
興味のある方はフォローして読んでください。